絶滅のおそれのある野生動植物が、国際取引によってさらに減少することを防ぐための国際条約です。
基本情報
- 正式名称:
絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約
(Convention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Flora)
- 略称:CITES(サイテス)
- 採択:1973年(ワシントンD.C.)
- 発効:1975年
- 加盟国:180か国以上(日本も加盟)
目的
- 野生動植物の過剰な国際取引を規制
- 絶滅危惧種の保護と持続可能な利用の両立
規制の仕組み(附属書)
対象となる動植物は、危険度に応じて3つに分類されます。
附属書Ⅰ
- 絶滅の恐れが非常に高い
- 原則、商業目的の国際取引は禁止
- 例:トラ、ジャイアントパンダ など
附属書Ⅱ
- 現時点では絶滅していないが、取引を管理しないと危険
- 許可制で取引可能
- 例:うなぎ(ヨロパウナギ)、サメ類、ラン科植物 など
附属書Ⅲ
- 特定の国が国内保護のため国際協力を求めた種
- 輸出国の証明が必要
日本での扱い
- 日本では「外為法」「種の保存法」などで実施
- 対象種の輸出入には
輸出許可書・輸入承認・原産地証明などが必要
ビジネス・食品分野との関係
ユーザー様が関わる水産・食品輸入では特に重要です。
- うなぎ(ヨロパウナギ)
- サメ・エイ製品
- キャビア(チョウザメ)
などは、ワシントン条約の規制対象または関連管理対象になることがあります。
ワシントン条約(CITES)附属書Ⅰ〜Ⅲの違いは?
附属書Ⅰ(Appendix I)
絶滅の恐れ:非常に高い
[ 原則 ]国際商業取引 ✖ 完全禁止
特徴
- 野生個体は商業目的の輸出入不可
- 学術研究・保全目的のみ例外的に可能
- 輸出国・輸入国 双方の許可が必要
代表例
ゴリラ、トラ、ジャイアントパンダ
附属書Ⅱ(Appendix II)
絶滅の恐れ:中(管理が必要)
[ 原則 ]国際取引 ○ 可能 → ただし「許可制」で厳格管理
特徴:
- 適切に管理すれば取引継続が可能
- 輸出許可書が必須(輸入国側は国により異なる)
- 実務・商流で最も多い区分
代表例(食品・水産で重要)
ラン・サボテン類
ヨロパウナギ
チョウザメ(キャビア)
サメ類(フカヒレ)
附属書Ⅲ(Appendix III)
絶滅の恐れ:比較的低い(特定国が保護)
[ 原則 ]取引 ○ 可能 → 指定国からの輸出のみ管理
特徴
- ある国が国内保護のため登録
- 指定国からの輸出:輸出許可書
- 非指定国からの輸出:原産地証明書
代表例
一部木材・動物種
ワニ類(特定国)
| 項目 | 附属書Ⅰ | 附属書Ⅱ | 附属書Ⅲ |
|---|
| 絶滅リスク | 非常に高い | 中 | 低 |
| 商業取引 | ❌ 原則不可 | ⭕ 管理下で可 | ⭕ 可 |
| 主な書類 | 輸出+輸入許可 | 輸出許可 | 輸出許可 or 原産地証明 |
| 実務頻度 | 低 | 非常に高い | 低〜中 |

実務ポイント(重要)
- 附属書Ⅱが輸出入ビジネスで最重要
- 加工品(蒲焼、冷凍、乾燥)でも対象は「種」基準
- 原料原産国と加工国が違う場合、書類不備が最も多い